この展覧会は、香港の写真家ナンシー・シェンの作品を鑑賞できる貴重な機会である。ナンシーの作品が英国で展示されるのは今回が2度目。ナンシーの作品はしばしば女性に焦点を当て、パターンとラインに強い重点を置いている。そのアプローチと大胆さにおいて、同時代の作品とは一線を画し、今日でも見る者に新鮮な印象を与え続けている。ナンシー・シェン(1914~1979)は王立写真協会の会員であり、1970年代には香港写真協会の副会長を務めた。
この展覧会では、伝統的なアプローチから現代的なアプローチへと移行するナンシーの写真家としての進歩を見ることができる。彼女の初期の写真には、香港の漁船や風景といった伝統的な被写体が多い。新しいカメラのテクニックを試し、暗室の技術を学ぶにつれ、彼女は写真に独自の創造性をもたらしていった。
ナンシーは中国の蘇州で裕福な家庭に生まれた。1940年代に香港に移住し、建設と建築の分野で事業を立ち上げ、成功を収めた。40代で写真に転向。男性優位の世界で、彼女はアジア的な美学と当時のヨーロッパやアメリカの写真に触発された現代性を融合させた独特のスタイルを確立した。
写真史家であり、ブリストル王立写真協会のプログラムディレクターであるマイケル・プリチャード博士のキュレーションによる展覧会。フォト・オックスフォード2021の一環として初公開された。

展覧会トーク
9月21日 18:30 - 19:30 質疑応答を含む(オンライン・ズーム)
10/5 18:30 - 19:30 質疑応答含む(オンライン・ズーム)